キャットフードのマグネシウムの量とストルバイト結石との正しい関係

キャットフード

ネコ吉
マグネシウムが少ないキャットフードが欲しいニャ。

ニャンコ先生
おや、どうしたのじゃ?

ネコ吉
マグネシウムが多いと結石になってしまうニャ。

ニャンコ先生
う~ん、それは誤解じゃ。

ネコ吉
え!そうニャの?

ニャンコ先生
マグネシウムは確かにストルバイトなど尿路結石と関係があるけど、摂り過ぎが原因じゃないのじゃよ。

ネコ吉
知らなかったニャ。

ニャンコ先生
では、今回はマグネシウムとストルバイト結石の関係について学んでいくよしよう!

ネコ吉
お願いしますニャ!

 

マグネシウムがストルバイト結石の原因であると言う誤った認識

マグネシウムは、猫が元気に生きるために絶対に必要なミネラルです。

極端に少ないと逆に、猫の元気がなくなって病気になってしまいます。

 

マグネシウムが結石の原因と間違えられる理由

マグネシウムが多いキャットフードは結石の原因となるから、マグネシウムは少なければ少ないほど良い

このような無茶な理屈がまかり通っています。

猫に多い結石として、「ストルバイト結石」があります。

一般的な解釈やYahoo知恵袋で目にするストルバイト結石が出来る仕組みは、以下のような理屈で説明されています。

1.猫がタンパク質の多い食事を食べる。

2.高タンパクの食事は、猫の体内のアンモニアを増やす。

3.リンとアンモニアが、マグネシウムを核に結晶(石)を作る。

これは完全な誤りです。

ストルバイト結石は、別名「リン酸マグネシウムアンモニウム」と言います。

リン酸マグネシウムアンモニウムは、

・リン

・アンモニウム(タンパク質に多い)

・マグネシウム

上記3つが科学的に結びついて出来ます。

化学式の上でこうなっているだけで、この組み合わせの反応が猫の体内で起こっていると言う証拠も学術的な根拠も、実はありません。

ストルバイト結石が出来る仕組みは、別にあります。

 

猫にストルバイト結石が出来る本当の仕組み

ここで、杏林予防医学研究所所長の山田豊文先生の論文を紹介します。

【参考】

※そのペットフードが病気の原因かもしれない 池田泰人・飛弾野均・塚村啓子著 メタモル出版より

論文によると、ストルバイト結石ができる仕組みは以下の様な流れになります。

大切なミネラルにカルシウムがあります。

カルシウムと言うと骨と言うイメージがあります。

カルシウムは99%は骨や歯に含まれていますが、実は残り1%は血液に含まれます。

このわずか1%の血液中のカルシウムが、

・血液の凝固

・酸、アルカリの調節

・神経伝達

・栄養素の運搬

これらに深く関係しています。

カルシウムの99:1の量のバランスは、体の調整機能によって一定に保たれます。

血液中のカルシウムが少なくなると、体は骨を溶かしてカルシウムを補給します。

この骨を溶かしてカルシウムを補給する仕組みを脱灰(だっかい)と言います。

骨から溶けたカルシウムは99:1のバランスを維持するために使われて、用が済めば骨に戻されます。

体に何かしら問題が起こると、必要ないのに脱灰が進みます。

この過剰な脱灰によって血液中に溢れたカルシウムが、ストルバイト(結晶)とくっついて石になると、ストルバイト結石になります。

 

脱灰が進む原因

一般的に以下のようなことが、脱灰の原因になります。

・マグネシウム不足、ストレスによるマグネシウムの損失

・添加物の摂り過ぎ

・砂糖の摂り過ぎ

・タンパク質の摂り過ぎによる尿酸の発生

・ヒアルロン酸やグルコサミン不足による骨の弱体化

・鉛やカドミウムなどの重金属が骨に蓄積される

マグネシウムは、結石の原因となる「脱灰」を防ぐ役割を果たしています。

そして、カルシウムが骨に戻る手助けをしてくれます。

極端なマグネシウム不足の方が、ストルバイト結石の原因になるのです。

 

ストルバイト結石を予防する方法

猫に多いストルバイト結石を予防することは、脱灰を防ぐことと同じです。

脱灰予防のためには、

・低タンパク質の食事にする

→血液の酸性化を防ぎ、結石の原因になる脱灰を起こりにくくします。

・酸性尿にする

→クランベリージュースなど自然な方法でビタミンCを摂る

【参考】

 

この2つの方法が、学術的にも予防医学的にも、証明されている方法です。

分かりにくいお話かもしれませんが、結石の原因はカルシウムが血液中に溶け出す「脱灰」ということだけでも覚えておいてください。

そして安易にマグネシウムを減らしたキャットフードを選ばないようにしましょう。

マグネシウムは猫が活発に生きるために必要不可欠なミネラルなのです。

 

AAFCOのマグネシウムの量は「最低の基準」

「AAFCOの基準よりマグネシウムが多いキャットフードは危ない。」

私もこのように考えていたことがありました。

AAFCO、全米飼料検査官協会のことで、アフコと呼ばれます。

【参考】

 

しかし、AAFCOが定めるキャットフードの栄養基準は、あくまで「最低の基準」です。

ちなみに、AAFCOで示されているマグネシウムの基準値は以下になります。

単位子猫最小値成猫最小値
マグネシウム0.08%0.04%
カルシウム1.0%0.6%
リン0.8%0.5%

ここで重要なのが、基準は「最小値」であることです。

つまり、この量を下回ると言うことは、最低限猫が必要とするマグネシウムに足りないのです。

キャットフードの中には、ストルバイト結石を溶かすために、マグネシウムが0.0018%に制限しているものがあります。

結石を溶かすためとはいえ、生きるために必要な量以下にマグネシウムを制限すれば、猫の健康に良いはずはありません。

AAFCOの数字は「最適」ではなく、「最低基準」であることをおぼえておきましょう。

 

マグネシウムの制限はストルバイト結石の予防に繋がらない

いかがでしたか?

必要以上に猫がマグネシウムを摂る量を減らしてしまうと、猫の健康を激しく損います。

ストルバイト結石を予防するためのキャットフードを選ぶのなら、低タンパク質なものを選ぶべきです。

マグネシウムの量は参考程度にして、低タンパク質であることや尿路結石予防に効果があるクランベリーが入っていることを重要視しましょう。

マグネシウムだけ減らしてもストルバイト結石予防にはならないことを覚えておいてくださいね。

適量のマグネシウムとクランベリーを含んだキャットフードについて、1年間試した上で詳しくレビューしています。

18歳の高齢猫さんが以前と比べてずっと健康で元気になりましたよ。

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